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FGS同窓会 広報

「前例がない、を越えていこう」上智大学 総合グローバル学部 10周年記念行事 第2部 イベントレポート

更新日:10 時間前

第2部 卒業生&在学生パネルディスカッション

2024年10月12日 14:00-15:00開催


上智大学総合グローバル学部同窓会 総合グローバル学部創立10周年記念行事「原点から未来へ『総合グローバル』ってなに?」。第2部はコメンテーターにFGS准教授 小林綾子先生をお迎えし、“「総合グローバル」ってなに?”をテーマに在学生、卒業生の方々にお話を伺いました。


登壇者

コメンテーター:上智大学 総合グローバル学部 准教授 小林 綾子 先生

ファシリテーター:4期生 西本 拓海

パネリスト:

卒業生 多久島 麻友さん(1期生)、浅野 光璃さん(3期生)

在学生 濱北 満里奈さん(8期生)、嶋田 立希さん(8期生)


パネリスト紹介

多久島:1期生の多久島麻友です。2014年に入学し、2018年に卒業しました。在学時はメジャーが国際関係論、マイナーは中東アフリカ研究でした。

交換留学でアメリカ・ジョージア州の大学に留学し、卒業後は日系の金融機関に6年半勤めました。先月から外資系のコンサルティングファームに勤務しています。


浅野:3期生の浅野光璃です。2016年に入学し、2020年に卒業しました。樋渡先生のゼミで外交政策の研究をしました。

私もジョージア州の大学に留学し、卒業後は日系のインフラ会社を経て、今はコンサルティングファームで働いています。


濱北:8期生の濱北満里奈です。2021年入学、2025年卒業予定です。地域研究をメジャーにしていて、権香淑先生のゼミで東アジアの国際関係について研究をしています。卒業後は食品メーカーに勤務予定です。


嶋田:8期生の嶋田立希です。2021年度入学の2025年3月に卒業予定です。3年の時に韓国へ交換留学して、今は韓国に関する卒論を執筆中です。卒業後は国内の航空会社に就職予定です。


西本:ファシリテーターを務めます、西本拓海です。2021年に卒業しました。卒業時に学部同窓会を作ろうと思い立ち、会長を務めています。



新学部創設、そしてコロナ禍~パネリストが見たFGSの歩み

西本:では“「総合グローバル」ってなに?”という問いに対してFGSの過去、現在、未来について語り合い、最後にアンサーを出したいと思います。まずは多久島さん、1期生でのご入学ですが、不安はなかったですか。


多久島:先ほど教授の話を伺ったら、いろいろ不安だったことを思い出しました。履修登録の時には私も地獄を見たような記憶があって(笑)。樋渡先生が180数名のお母さんのように、手取り足取り教えてくださいました。


西本:1期生ならではの思い出はありますか。


多久島:リーダーシップのある学生がパーティーを企画して、ワイワイ盛り上がりました。パーティースペースを貸し切って1期生同士の絆を深めるためにパーティーしたこともあったんですよ。


浅野:1期生ならではの“お祭り騒ぎ”ですね。その噂のせいなのかわからないですが、私たちの代では他学部の方からFGSのことを「ウェイグロ」と呼ばれることもありました。寺田先生や樋渡先生、都留先生たちには怒られてしまうかもしれませんね(笑)。


多久島:それから、初日も忘れられません。一人一人がやりたい事を持っていて「私はこういうことを学びたい」と自己紹介していました。学部のカリキュラムも各自がやりたい事を選択できるように組まれていましたし、自由に選択できる余白や柔軟さがFGSのいいところだと思います。


西本:入学直後で覚えている事はありますか。


多久島:基礎ゼミも覚えています。渡辺紫乃先生のゼミで、初回に先生が姿勢を正して「皆さんは今まで“知の消費者”でしたが、今後は“知の生産者”にならなければいけない」とおっしゃいました。不安ながらも武者震いしましたね。


西本:3期生の浅野さんはどうでしたか。


浅野:テストの過去問がないので、皆で支え合いました。図書館の下にあるラーニングコモンズに集まって勉強していましたね。卒業論文も英語で書いてみようとか、何でもやってみようとする雰囲気がありました。


西本:濱北さんたちは入学当初からコロナ禍でしたが、どうでしたか。


嶋田:4月は一部対面だったのでキャンパスに来ていましたが、4月末ごろから学校に来られなくなりました。それからはずっとオンラインで、1年ほど在宅の状態でした。


西本:友達やサークルはどうしていたのですか。


濱北:国際交流サークルに入りたかったのですが、キャンパスに来られない、留学生もいない状況が1年半ほど続きました。



左から 8期生嶋田さん、同濱北さん
左から 8期生嶋田さん、同濱北さん

地域グローバリズムの視点を社会で生かす~FGS生たちの挑戦

西本:次は現在の話です。在学生のお二人の挑戦について、お伺いしたいと思います。まずは濱北さん、お話の続きをお願いします。


濱北:その後「Sophia Start-up Club」というサークルに入り、2年生の時には国際交流サークルを立ち上げ、その後商社での長期インターン、今は同窓会にも関わっています。オンラインだからこそ、作れるコミュニティーもあると気付きました。


西本:まさにニューノーマルですね。嶋田さんは、どんな挑戦をされましたか。


嶋田:僕は高校生の頃から日韓関係に関心があり、3年の春学期に韓国に交換留学に行きました。外務省が主導するJENESYSというプログラムに参加したり、内閣府が主導する日本・韓国青年親善交流事業にも参加したりしました。コロナ禍でも、オンラインで知見を深めてこられたと思います。


西本:卒業生のお話もお伺いします。多久島さんは新卒で金融機関に入社されましたが、進路選択の決め手は何でしたか。


多久島:留学中に日本の将来に不安を感じるようになり、日本企業の実情や課題を直接見られる銀行に就職を決めました。


西本:入行後にFGSでの学びは生きましたか。


多久島:グローバルガバナンスの企画部署で各国の金融当局からの要請に対応する際、FGSで学んだグローバル・ローカル双方向の視点が役立ちました。日本とは全く違うスタンダードで動く当局もありましたが、現地従業員との対話をとおして当局の要請の背景を理解することでビジネスチャンスを逃さずに済んだのです。


西本:浅野さんはいかがですか。


浅野:最初はインフラ企業に就職しましたが、そのうち「キャリア形成」に興味を持つようになり、転職エージェントに転職しました。そこで日本の優秀な人材が海外に流出していることに危機感を持ち、今は外資系のコンサルティングファームで、人事面から日系企業のグローバル戦略支援に取り組んでいます。


多久島:大学生のお二人はいかがですか。


嶋田:僕は北海道の航空会社に就職する予定です。北海道や日本の魅力を世界に発信したいという思いは、多久島さんや浅野さんと同じかなと思いました。


濱北:私は中国に住んでいたことがあるので、日本と海外をつなげることを軸に就職活動しました。就職先の食品メーカーから海外駐在の可能性を伺ったので、海外でもFGSで培った、地域の暮らしや文化を尊重する姿勢や視点を忘れずに務めていきたいと思います。



未来へのアンサー ~「総合グローバル」ってなに?

西本:いよいよ未来の話です。皆さん、お手元のスケッチブックに“「総合グローバル」ってなに?”という問いのアンサーを書いてください。

事前アンケートでも、いろいろな方にお答えをいただいています。例えば丸山英樹先生からは「グローカル」という言葉を頂きました。グローバル、ローカル両輪やるところが、まさにFGSらしさだと思います。

では浅野さんからお願いします。総合グローバルとは?


浅野:私の答えは「フットワークの軽さ」です。まずは行動してみよう、調べてみよう。「思い立ったが吉日」で動くフットワークの軽さは、FGSらしさだと思います。

嶋田:僕は「個性豊か」です。ゼミなどで自分の考えを素直に発信できる場がFGSだと思います。自分の話を伝えて、相手も同じ熱量で返してくれる。心的安全性を保ちながら、個々が認め合う空間があると思います。


多久島:私は「複眼的にものを見る姿勢」です。仕事をしていると、利害関係が対立せざるを得ないことがあります。そんな時、FGSで学んだ視点を生かして複眼的に物事を捉えてみると、案外対立していないのでは? と気付いて前に進めることがあるからです。


濱北:私は「自分らしさ」です。FGSの学生は皆、異なるバックグラウンドや個性を持ち、自分らしさを大切にしながら学問に励んでいます。その上でお互いに影響し、尊重し合える環境があると思います。


西本:皆さん、ありがとうございます。答えが出そろいましたね。


浅野:社会に出ると「総合グローバルってなに?」と必ず聞かれます。この質問には、皆さん違った答え方をするのではないでしょうか。それがFGSの良さだと思います。

他校に比べ、上智は縦横斜めの関わりが少ないように感じます。同窓会を中心に、これからもネットワークを強化して、互いに感化し合える環境を発展させていければと思います。


西本:素晴らしいラップアップですね。まさに、そのための同窓会だと思っていますので、皆さんもぜひ同窓会のイベントにご参加いただけると嬉しいです。



左から 3期生浅野さん、1期生多久島さん
左から 3期生浅野さん、1期生多久島さん


「前例がない、を越えていこう」FGS准教授 小林綾子先生より

10周年おめでとうございます。2019年の4月にFGSの教員になりました、小林綾子です。

さて、このダイアローグに出てきたポジティブなワードを拾ってみました。「チャレンジ、ワイワイ、ウェイウェイ(笑)、わくわく」「やってみたい、自由、柔軟さ、知の生産者、楽しい、積極的、複眼的にものを見る、日本と海外をつなげる、フットワークの軽さ」

これらを一言でまとめるのは難しいですが、あえて言うなら「前例がない、を越えていこう」ではないかと思いました。

社会に出ると、慣習やルールに縛られて前に進めないことがあります。もちろん、先輩方や組織の蓄積を大事にすることも大切ですが、前例がないことが、すなわち「できない」ではないと思います。

実例をお話しします。コロナ禍で新入生の受け入れに教員が頭を抱えていた時、西本さんを始めとするFGSと他の学部から集まった皆さんが「Welcome to SOPHIA 2020」というプロジェクトを立ち上げ、新入生たちが安心して入学できる体制を整えてくれました。

私はそれを学長賞に推薦しようと考えましたが、一部の方々は「学長賞は学外の活動で成果を上げた人に与えるのが常識」と反対しました。

しかし、担当部署に聞いたところ「ぜひ応募を」とのことだったので推薦し「Welcome to SOPHIA 2020」は学長賞を受賞しました。

こうした学生と教員の協力や小さな一歩が、学生の成長、ひいては大学の良い方向性につながっていくと思います。FGSの教員の皆様も、それを共有していると信じます。

卒業生の皆さんも自由な発想を生かし、失敗を恐れず「前例はないけれど、できるかもしれない」という可能性にかけてほしいと思います。

ということで、私のまとめは「前例がない、を越えていこう」です。ありがとうございました。



左から 総合グローバル学部 准教授 小林 綾子先生、4期生 FGS同窓会会長 西本
左から 総合グローバル学部 准教授 小林 綾子先生、4期生 FGS同窓会会長 西本

西本:素晴らしいまとめをありがとうございます! これでダイアローグを閉じさせていただきます。ご登壇いただいた4名の皆様、そして小林先生に大きな拍手をお願いいたします。本日はどうもありがとうございました。

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